ドリブルがうまい。というと、華麗なボールタッチで相手を翻弄するイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。では、その人のドリブルは試合で使えるドリブルですか。私は、そういう意味で本当にドリブルがすごい人とプレーしたことがありません。
ただ、試合で使えるドリブルがうまい人とはプレーしたことがあります。その中には、足元が器用ではない人も。では、どういったドリブルなのでしょうか。
ボールを動かすドリブルと、・・・
ドリブルは大きく分けて2種類あると考えています。
一つは、ボールを細かくタッチすることで体から離さないドリブル。進行方向にボールを大きく蹴りだして追いかけるのも、イメージは同じ。
もう一つは、細かいタッチを意識するのではなく、ボールに対して体の位置や向きを変えるドリブル。
後述の「ボールに対して体の位置や向きを変えるドリブル」こそが、実は誰でも習得しやすく、試合で役に立つシーンが多いのですが、サッカー本にはほとんど掲載されていません。
もう、誰が書いても一緒なのでは。と思ってしまうような内容ばかり(^_^;)
さて、「ボールに対して体の位置や向きを変えるドリブル」は、具体的にどういうドリブルでしょうか。
日本代表で、海外で一番活躍している長友選手がそのいい例です。
長友選手のドリブルは、細かいタッチを刻むときと、あえてボールに触れず、ステップを踏むときがあります。このステップを踏むときには、進行方向に対してボールを追い越したり、ボールの左側に立って体をピッチの中央に向けたり。
このように、ボールに対して体の向きや位置を変えると、ディフェンスとしては非常に困ります。
ディフェンスは、ボールに対する相手の体の向きや位置によって、プレーを限定していきますが、その部分がコロコロ変わると、限定できなくなるのです。
我慢ができなくなったディフェンダーは、安易にボールを取りに行ってあっさり抜かれるのがオチ。我慢していても、プレーが限定できていないのでプレスは甘くなり、連動しているはずの他のディフェンスも機能しなくなるのです。
一方の長友選手は、周りを見ながらほころびを探している、という状況。「勝負あり!」な局面になっているのです。実は、こういうドリブルはメッシ選手やC・ロナウド選手のようなドリブラーや、イニエスタ選手やシャビ選手のような中盤のパサーもよく使っています。
ボールを触るドリブルよりも、局面の打開がしやすい「ボールに対して体の位置や向きを変えるドリブル」。高いレベルでも大きな力を発揮するので、超オススメです。
サッカー ボールを触らないボールタッチ【2:09】