目次
はじめに
サッカーにおいて、トラップ=ファーストコントロール はとても重要なスキルのひとつです。他のスキルが高い人ならば、本当にイメージした通りにできると、次のプレーは低くても8割くらいの確率でうまくいくのではないかと思うくらいです。
ところが、多くの日本人選手は、動きながらトラップするスキルが低いといわれています。この要因のひとつには
日本サッカーのディフェンスはボールを持つ選手に対して飛び込んでいかない
文化のようなものがあります。いわゆる一発で相手に飛び込まない。というものです。そうなると、ディフェンスがマークについている状態で大きくボールを動かした場合、相手は足を出さないでその動きについてくるのでかわし切れなかったり、少しでもコントロールがズレると奪われてしまうリスクがあるため、ボールを足元にコントロールした方が安全という考えになるのです。
ところが、イングランドやドイツ、イタリアなどの海外では、どんどんボールを持つ選手に対して体ごとぶつかってきます。そうした状況では、ボールを足元に止めてしまうと日本ではボールを保持できるタイミングでも、簡単に奪われてしまうのです。
日本ではボールキープがうまくても、海外移籍するとプレスが厳しく、キープがまともにできない選手も。
このように環境が違うため、日本人は動きながらトラップする技術が磨かれにくいのかもしれません。ただし、日本のサッカーにおいても動きながらコントロールした方が良い場面はたくさんあるので、しっかりとしたスキルを身に付けておかないといけません。
状況によって使い分けないと、非常にテンポの遅いサッカーになってしまいますし、海外の高いレベルで通用しません。それでは困りますね。
そこで、今回は海外遠征で衝撃を受けたことのひとつ、『トラップ』のコツについて書きます。
トラップの種類
トラップは、大まかにわけると2種類あると考えています。(細かく分けると、もうひとつあるでしょうか。それに関しては、
です。この記事では、ややこしいので省きます。次のステップとしてどうぞ(^_^))
(1)ボールの勢いを止め、足元にコントロールする
(2)ボールと一緒に体を移動させる=動きながらコントロールする
パターンです。
さきほども書きましたが、日本人選手が苦手なのは
(2)ボールと一緒に体を移動させる=動きながらコントロールする
場合です。
トラップのコツ
ここでは、膝より下の部分(インサイド、アウトサイド、インステップ、つま先、足裏)でトラップする場合の説明になります。
トラップのコツは、プレーの状況にもよりますが経験上、基本的に
(1)ボールの勢いを止め、足元にコントロールする
と
(2)ボールと一緒に体を移動させる=動きながらコントロールする
で同じだと思います。
※すべてのプレーにおいて、以下のポイントが当てはまるわけではありません。
ポイントとしては、
2.ボールをコントロールする足と同じ側の腕を引くもしくは横に上げる。右足でコントロールする場合は右腕になります。(腕の動きが逆側になるときもあります。右足⇒左腕)
3.意識的に、コントロールした足は早く地面につける。
まず1.の下半身においては、力を抜くことが重要です。力みがあると、カチコチな動きになってしまい、ミスが多くなります。
また2.の腕については、引くことで下半身に力をいれなくても重心が安定します。この動きひとつで、相当ミスが減ると思います。
そして3.の早く地面につけることで、コントロールした足が動きの流れの一部になります。たとえば、左から来たボールを右足で10メートルくらい前方へ大きくトラップするとします。
そのとき、ボールを触った右足を意識的に早く接地することで、前方への重心移動がスムーズになるのです。このときに、軸足側に重心が残っていれば、一歩目の動きが遅れてしまいます。重心移動がスムーズであれば、トラップが多少大きくなってもミスにならないのです。
このように、上半身とステップを意識することが、トラップのコツです。もちろん、コントロールする前に状況を確認することは言うまでもありませんね。上体を起こして把握しておきましょう。
なお、腕の動きに関しては、状況やプレーする人によって逆腕の方がやりやすいかもしれません。これは経験が必要になりますので、たくさん練習してオリジナルのコツを習得してほしいと思います(^_^)
おわりに。トラップのときに、足を引くことに関して
トラップのコツとして、
飛んできたボールの勢いを抑えるために、コントロールする足を(本来、飛んでいくであろう方向に)引く。カーテンのように。
とあります。これに関して私は
特に意識する必要はない
と思います。その理由は
非常に複雑で繊細な動き
だからです。
私はスピードがのっているときに、この動きがうまくできませんし、トラップで相手をかわすのも難しいです。また、パスがバウンドではねているときには、完全にボールを見てしまい、周囲が見えなくなってしまいます。
(この『カーテン』のように引く動きのトラップは、ボールが来た方向に対して正面にトラップするか懐におさめて反対方向に向きを変えるときには有効な場合があります。)
したがって、ボールに対して足を引くのはごく限られた場面で有効であるものの、トラップ全体としてのコツなのかわかりません。
それよりも、下半身の力は抜き、上半身の動きをもっと意識するほうが、色々と応用ができて、実用性もあると思います♪(上半身を利用することで、ボールの勢いを吸収したり、しっかりとボールに力が伝わり良いコントロールできます!!)
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