目次
はじめに
チップキック(ほとんど動いていないボールを膝下の振りだけで蹴り、浮かせてバックスピンをかける小技的な蹴り方)を除き、おそらくほぼ全てのキックにおいて精度と成功率を上げるために重要な考え方があります。それは、
点ではなく面(線)を意識する
という考え方。
今回は、それについて書きます。
鬼コーチに感謝!
関節を固定するほど臨機応変な対応が困難になる
頭が固い人は、何をどのように伝えても同じ視点でしか物事を判断できないですね。これは、自分の価値観にとらわれすぎて考えが固まってしまっているからです。
では、人間の体はどうでしょうか。
人間も体が固いと柔軟性に欠け、しなやかな動きができません。
サッカーのキックにおいては、しっかりと軸足を踏み込み、足首をしっかり固定し、膝の位置を固定して膝から下でボールを振りぬく。という考えが一般的です(2014年現在)。
このように、あちこちに力を入れるということは体を固めるのと同じで、しなやかな動きを制限します。それにより、細かい動きが素早いわりにはディフェンダーに対応されてしまったり、ちょっとしたタイミングのズレやボールの細かいイレギュラー、相手からの軽いボディコンタクトですぐにミートポイントがずれ、キックの精度が格段に落ちます。これは頭が固い人と同じ状態に陥っていて
ある一点でしかとらえられていない
という共通点があります。臨機応変な対応が難しいということですね。
面でとらえる
一方、頭が柔らかい人は、色々な方向からものごとを柔軟にとらえることができますね。これは、サッカーのキックにおいても同様のことがいえます。一流といわれる選手たちは、力まずに体全体を使ってどんなボールの状況でも精度の高いボールを供給します。これらの共通点は、
面でとらえることができる
という共通点があります。
キックにおける面の考え方
では、キックにおける面の考え方にはどのようなものがあるでしょうか。例を挙げてみます。
・体全体をうまく使い、ミートするときは振り子のようなスイングではなく、スライドのようなスイングをする
・ボールの軌道はふわりと浮いたものよりも、ライナー性を意識する(『線』と言ったほうが適切かも)
ひとつずつ見ていくと、
・ミートする部分はなるべく広いところを使う
は、タイミングをずらすトーキックのようなものを除き、ミートを足先近くよりも足首に近い部分を意識することで、足首に力を余計にいれなくても、しっかりと力を伝えてボールを伝えることができます。
・体全体をうまく使い、ミートするときは振り子のようなスイングではなく、スライドのようなスイングをする
は、軸足を力強く踏み込むと重心が軸足に集中し、上半身をうまく使えずにちょっとしたことでバランスを崩しやすくなります。また、膝下の振りだけでボールを蹴ると、蹴り足首の動きが振り子のようになり、狭い範囲でしかうまくミートできません。
しかし上半身、たとえば腕の動きの意識を高め、軸足と膝下を特別に意識しないことで、蹴り足首の動きがスライドするような動きが可能になり、ミートポイントが増えます。
・ボールの軌道はふわりと浮いたものよりも、ライナー性を意識する
は、ボールを蹴りあげたり、ふわりと浮かせることが滞空時間と狭いスペースを狙うときには有効な場合があります。しかし、これらはボールコントロールできるポイント(落下点)が限定されており、マークが厳しくプレッシャーが速い現代サッカーにおいてその効力は限定的です。
しかし、ライナー性の場合はスピードが速く、落下点もふわりと浮いた場合より広いのが特徴です。それにより、プレッシャーを回避しつつ、ボールを受ける味方もプレーしやすくなるので攻撃の組み立てがしやすくなり、チャンスも増えます。これは、『面』というより『線』という言葉のほうが適切かもしれません。
おわりに
以上のように、キックにおいて面(線)を意識することは、動きの中で安定したキックをしたり、チャンスを作るうえで非常に大切かと。少しでもキックの精度と成功率を上げるための参考になればと思います(^_^)
Final training session【15:15】