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はじめに:ワンサイドカットとは
ワンサイドカットとは、ひとつの攻撃方向を切り、相手の攻撃を限定させるためのディフェンスに関する考え方および方法です。ワンサイドカットには、前線の選手によるチェイシング(走りながらボールを追いかけるイメージ)と、1対1で対峙してマッチアップする場合がありますが、ここでは後者についての説明です。
(たとえば0:09のシーンでは、ディフェンダーがイスコ選手の中央へのドリブルおよび右足でのシュートを防ぐポジションをとっています。)
1対1で体を入れたり寄せ切ることが・・・
1対1の対峙したディフェンスで大切と言われていることは、次のようなことがあります。
これらはとても重要ですが、日本サッカーにおいては問題が生じています。それは、
相手がミスをしない限り、ボールを奪いにくい
ことです。理由は、
ワンサイドカットをしたら、守備を仲間と連動させるために『相手に飛び込んで抜かれないよう』指導を受けて選手が細心の注意を払う為、ボールと相手にの間に体を入れたり、相手に寄せたりするのが難しいから
です。
この日本サッカーのワンサイドカットは、『チームプレー』と『辛抱強い』という点ではメリットでもありますが、『プレスが甘い』という点で大きな課題となっています。
しかし、ボールを奪いにくい理由はそれだけでは片づけられません。というのも、相手のレベルにもよりますが体を入れたり寄せたりできないのは、
体の動かし方が悪い(身に付いていない)
ことが大きな原因だからです。
私は、現役のときにそこまで考えが及ばず、『ラダーのステップワーク』と『闘う気持ち』で1対1のマッチアップは向上すると信じていました。しかし、ある程度はレベルアップするものの、『ボールを奪いにいけない』という壁がありました。
また、自分では良いと思っていても実はプレスが甘くて、相手がミスをしないためにあっさりとやられてしまう経験は嫌というほどしました。同じ悩みを持っている人も多いと思います。
1対1のワンサイドカットから、体を入れる(寄せる)コツ
1対1のワンサイドカットディフェンスの状態から、相手のドリブルに対して体を入れたり寄せるコツは、
のほかに、
相手に近い方の腕を意識する
ことです。私シングでいえば、構えてジャブを打つ方になります(私シングではないので利き手は考慮せず)。
相手に近い方の腕を相手のボールコントロールやドリブルに対して、引いたり前に振り出すことによって、コース取りと重心移動をスムーズにするのです。コース取りと重心移動が良ければ体を入れやすく、たとえ入れられなくても足でボールを触りやすくなります。
相手の動きには、次のようなパターンがあります。
この中で、
場合は、一度相手に背中を向けて再度対応するディフェンスとなります。
残りの、
場合に、とくに相手に近い方の腕の動きが重要になります。腕の動きを意識することで、上半身と下半身の動きも大きく影響を受けます。
おわりに
腕を意識することで、重心を落とそうと太腿の筋肉で踏ん張ることがなくなります。ムダな踏ん張りをなくすことでスムーズな動きを可能にし、ボールを奪いやすくなるだけでなく、試合を通じての体力ロスや怪我のリスクを減らすこともできます。ただし、ハンドを取られるとまずいペナルティエリアやその付近では、腕を意識したディフェンスは難しくなります。
個人レベルにおけるディフェンスのレベルを上げることで、攻撃のレベルも上がります。相乗効果により、もっと高いレベルでサッカーを楽しみたいですね(^_^)
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