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日本は、先進国の中でも食品添加物の扱いが多く、その数は諸説ありますが、問題は数だけではありません。欧米で、その危険性から厳しい規制がかかっているものでも、日本で全く制限がないというのも、とても問題です。
そうしたものは、専門的な知識がなくても、危険ではないか。と考えることはできますが、その他にも間接的な問題も含みます。
そこで、今回は、かつて商社で『食品添加物の仕事に携わっていた』安部司氏の情報を参考にしながら、食品添加物の危険性について書きます。
ある日、突然禁止になるため、『安全』と断言できない
食品添加物は、特定の条件で安全性試験を行って認可されますが、ある日、突然『使用禁止』になることがあります。
日本において、その理由は、ほとんどが発がん性物質であり、国は補償してくれないのが現実。それは、添加物の体への影響は短期間で起きるものではないので、健康被害の因果関係が掴みにくいからです。したがって、今日摂取しても平気だから『安全』とは言い切れません。
また、複合摂取による化学反応で毒性の強いものへ変わる事例も報告されています。これは、認可の段階で判断できることではないので、やはりリスクはあります。農薬の複合汚染と同じです。
味覚の破壊。塩分・糖分・脂質の過剰摂取を助長する
厚生労働省推奨の塩分摂取量は、成人男性で一日8グラム、女性で7グラム。管理人が小学生の家庭科で教わったのは、塩分で一日10グラム、砂糖は15グラムでした。
では、カップ麺はどうか。大きいサイズのものでは、スープまで全部飲み干すと、塩分は一日の推奨量を超えてしまうものもあります。また、麺を乾燥させるために油で揚げていますので、それなりの脂質を摂取してしまいます。しかも、海外で厳しい規制のかかっている『トランス型脂肪酸』という、常温で固形化・安定し、心臓病のリスクを高める脂質です。しかし、そんなに塩っ辛くて脂っこいカップ麺をコンプリート完食できるのは、食品添加物のおかげ。おなじみの化学調味料や、これまた欧米で発がん性物質を含有する、という理由で厳しい規制のかかっている『たんぱく加水分解質(分類上は、「食品」)』でうまみを出すことで、拒絶どころかクセになる味付けへ変わります。
糖分では、ペットボトルの清涼飲料水が有名ですが、飲んで『甘い』と感じるために、10%程度の濃度の砂糖水にします。しかし、それだけでは『甘すぎる』となってしまうので、酸味料を添加して、『すっきり甘くてオイシイ』となるようにしているんだとか。その行き過ぎたのが、『ペットボトル症候群』という、ある日突然若者が血糖値をコントロールできなくなり、吐き気、腹痛、意識がもうろうとする、といった症状を引き起こします。
このように、添加物によって、本来備えている『防衛本能』としての味覚がおかしくなり、塩分、糖分、脂質の過剰摂取を助長していまいます。その結果、さまざまな健康被害のリスクを押し上げます。
大切な価値観の破壊
「いただきます。」とは、命をいただく行為で、食べ物は、本来とてもありがたいものです。しかし、保存料やそれに代わるpH調整剤などで食品が本来の姿でなくなったり、安くて便利な加工食品を買って食べるだけ、といった感じになると、食事を作ることの大変さや食べ物を命として捉えることが難しくなります。
アメリカでは、犯罪者の過去を探るとき、『食歴』というものも調べます。それは、「今まで、どういう食環境で育ったか。」というもので、いかに食事が人間形成で重要なのかが、わかります。
おわりに
食品添加物の危険性や間接的なリスクは、自己責任です。国は補償してくれません。どういう食の選択をするか、子供には難しいですから、保護者や大人が、子供の未来をよく考えて行動する必要がありますね。ただし、完璧主義では長続きしませんから、安部司氏が言うように1週間くらいのスパンで考えて、「昨日はどうしても夕食作れなくてチェーン店の外食だったから、今日は手作りで野菜を多めにしよう」くらいが良いのではないでしょうか。
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