目次
はじめに
医薬品と違ってサプリメントは、薬事法などの規制を受けないため、病院で処方箋を出してもらったりや薬局まで行かなくても、インターネットやコンビニなどで簡単に手に入れることができます。そのため、美容や健康の足掛かりとして、また依存するかたちで利用する人がいます。
そんな、手軽で効果を期待してしまうサプリメントですが、指定の量を飲んだところで、薬のような強い効果を及ぼすようなものではありません。(あたかも、特効薬を飲んだかのような『誇大表現』が蔓延していますが。。。)
だからといって、『効果を出すため』に『他の薬やサプリメント』と同時に摂取することは副作用を引き起こす可能性があり、危険です。
サプリの複合・過剰摂取で、特定の栄養素を摂り過ぎに!
たとえば、ビタミンは『水溶性』と『脂溶性』に分類できます。
水溶性ビタミン | 脂溶性ビタミン | |
---|---|---|
主な栄養素 | ●ビタミンB1 ●ビタミンB2 ●ビタミンB6 ●ビタミンB12 ●ビタミンB3 ●ビタミンB5 ●ビタミンC ●ビタミンH ●葉酸(ビタミンM) | ●ビタミンA ●ビタミンD ●ビタミンE ●ビタミンK |
過剰症 | 汗や尿として排出されやすく、過剰症の心配は少ないです(『無い』というわけではない)。ビタミンCの過剰摂取で下痢になる、という報告あり。 | 水溶性と違い、体内で(肝臓、脂肪組織など)で貯蔵されるため、多量に摂取してしまうと過剰症を引き起こします。過剰症は、肝臓で貯蔵しきれなくなったときに、他の体内組織へ移行してしまうために起きます。以下、詳細。 |
過剰症詳細 | ●ビタミンA ・頭痛 ・吐き気 ・肌荒れ ・関節痛 ・肝臓肥大 ・食欲喪失 |
|
●ビタミンD ・血液中のカルシウム濃度が上昇し、腎臓、動脈、甲状腺、肺などにカルシウムが付着。 ・食欲減退 ・吐き気 ・嘔吐 ・腎結石 |
||
●ビタミンE 明確なデータはないものの、無いとは言い切れません。単素材で引き起こされなくても、複数の素材が関与して何らかの健康悪化の可能性は否定できません。 |
||
●ビタミンK ・吐き気 ・貧血 ・血圧の低下(『血圧の低下』と『認知症』は、関係性が指摘されています。そもそも、問題ないのに『適正血圧』をどんどん下げてることで高血圧の患者が増やし、医療業界が儲かるシステムは、非常に危険です。) |
上の表のように、特に脂溶性ビタミンは過剰摂取を避けなければいけません。「効果がもっと欲しいから。」といって、過剰摂取することは、副作用を引き起こす可能性が高まり、危険です。また、他のサプリメントと複合摂取すると、『予想していない』栄養素が過剰摂取になったりします。マルチビタミンサプリといっても、商品によって配合バランスは違いますからね。薬との併用(複合摂取)もしかり。きちんと医師に相談すべきです。
サプリメントをとるときに気をつけねばならないこと
特に女性の場合、ホルモンバランスが関わってくるため、足りない成分を過剰に摂取することで、体内バランスが崩れ、思わぬトラブルの原因になる可能性もあります。
また、アレルギーや乳製品の消化の問題(乳糖不耐症)、複合摂取による『特定の素材の吸収阻害』にも気をつけなければいけません。これらに当てはまる人は、医師に相談する方が好ましいでしょう。
健康は、ほどほどのストレスときちんとした食生活が基本です。ストレスはここでは詳しく触れませんが、食生活を疎かにしたり食事の代わりとしてサプリを大量に飲むことだけは絶対にしてはいけません。あくまでも、緊急措置です(アスリートは別として)。
おわりに
足りない栄養素をサプリメントで適切に補うためには、自分には今、何が足りていて何が不足しているかを知ることが非常に重要なことです。外食チェーンや加工食品は、素材から調理する『自分の手作り』よりもビタミンやミネラルが少ないものです。思考停止でサプリメントに依存するのではなく、まずは自分の食生活を振り返り、調べ、詳しい人に聞いてみるのが良いでしょう。こういった手間をやるかどうかが、健康回復の分かれ道となります。
久保明、田村忠司、髙遠智子『サプリメント外来の導入と運営』【5:21】
出資株主がサプリメントを使用するドクター&薬剤師&患者。高品質を追求するサプリメントメーカーの
株式会社ヘルシーパス