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サッカーでは、スプリントを運動量やハードワークのひとつの指標として回数をカウントしていますが、回数だけを見てもダメだということが、Jリーグのイニエスタ選手のデータから読み取れます。
彼は、ヴィッセル神戸において2019年6月15日と30日の試合において2試合ほぼフル出場(1試合は後半ロスタイムに交代)し、3得点を取りましたが、そのときのスプリント回数が異常に少ないのです。
2試合合計のスプリント回数がたったの・・・
まず、6月15日。この試合はMFとして先発から後半ロスタイムまで出場して1得点取って1-0と勝利しましたが、そのときのスプリント回数は
たったの4回
です。同じくフル出場したメンバーは、対戦相手のFC東京を含めてほぼ10回以上。次に少なかったのは東京のDF森重選手が9回と、イニエスタ選手の次に少ない回数でしたが倍以上走っています。
これはポジションの特性上、相手のFWと競争しないといけないので仕方無いのですが、中盤では東京のMF橋本選手が10本で森重選手の次に少なく、やはりイニエスタ選手の2.5倍スプリントしています。
そして、もう一試合の6月30日。この日はMFとして2得点奪い5-3で勝利。イニエスタ選手は先発フル出場してスプリント回数はなんと
0回
です!!これは数値だけ見ると、サボりまくっているような数値ですが、2得点していますから結果としてはきちんと出していますね。
このように、2試合ほぼフル出場して3得点しておきながら、スプリント回数は合計たったの4回でした。
走行距離は他の選手たちに劣らない。10キロ前後走っている。
そんなイニエスタ選手ですが、試合中止まっているわけではありません。いずれの試合も走行距離は10キロ前後ですから、きちんと他の選手に劣らないくらい距離は走っています。チームの勝利に必要な走り方をしている。と言えますね。
チームの戦術や与えられたポジション、さらにはポジショニングの良さによって、スプリント回数は大きく変わるから・・・
ヴィッセル神戸の戦術はパス回しをしてボールを保持しながら崩していくものですし、イニエスタ選手のポジションは攻撃的なMFとして守備時の負担は少なめになっていますから、スプリント回数が少なめになりがちかもしれません。しかし、それだけではこの数値は不可能。何よりも、イニエスタ選手のボールに対する予測の早さ・正確さと、ボールを受けるときのポジショニングの良さが、このような数値をたたき出しているのです。
サッカーは数値だけ見ると楽しくもなりますが、大事なところが見えなくもなります。それに、選手としては、あえてスプリントをガンガンすることによって大事なポジショニングが分かるようになり、その結果スプリントが減ることもあります。
スプリントの回数を見るうえで、ひとつの参考になれば嬉しいです(^_^)
【公式】ハイライト:FC東京vsヴィッセル神戸 明治安田生命J1リーグ 第15節 2019/6/15
【公式】ハイライト:ヴィッセル神戸vs名古屋グランパス 明治安田生命J1リーグ 第17節 2019/6/30